いつまでも、ずっと仲間だから!
みなさま、ご無沙汰しております。
店長南雲です。
透明堂は、27日に大掃除をして、年内の業務を終了致しました。
今年1年 多くのお客様に、ご贔屓にしていただきましたこと感謝致します。
ブログの更新が止まったまま、
とうとう2014年が終わろうとしておりますが、
更新しなかったのは、理由があります。
実は、12月10日に、透明堂スタートより製造を担当してくれた
弊社職人 H川氏が 永眠しました。
彼と私は、幼なじみでもあり、青春時代は、いつも一緒に過ごし、
そして、共に仕事をするようになって19年間、
文字通り公私共にかけがえのない仲間として付き合ってきました。
そんな彼が、数年前から病気をわずらい、
今年の5月から闘病の為、退社していたのですが・・・。
ご家族に話を聞くと、大変苦しい病気であるにもかかわらず、
常に家族を気づかい、弱音を吐くことなどなかったそうです。
そして、本人は覚悟をもって病気と戦い続けたとのこと、
最後まで立派な生き様であったと・・・・。
彼との突然の別れに、あまりに、辛く、悲しく・・・・。
普段、おもしろおかしく好き放題書いている
このブログを書くことができませんでした。
今日は、彼のご家族の了解もいただきましたので、
彼への追悼の意味も含め 、H川氏が透明堂にどれだけ貢献してくれたかを
皆さんに知っていただきたく、書かせていただきます。
彼は、19年前に透明堂運営会社のナグモプラ㈱に入社しました。
最初は、手先が器用とは言えず、苦労しましたが、
努力して少しづつ技術を覚えていきました。
ただ、持ち前の頭の回転の早さと、飲み込みの良さで、
加工のスピードは、社内でもピカ一で、
大量に作る製作物では彼の右に出る者は無く。
また、がっしりとした体格の為、とても力持ちで、
社内の重い荷物の移動などは、全て「俺がやる!」と買ってでてくれました。
人当たりの良さと面倒見の良さで、多くの人を育て、
人望厚き男でした。
店舗や展示会向けのアクリル什器(じゅうき)や造作物などを製作して行く中で、
着実に一人前の職人として技術を身につけて行きました。
今から17年前の1998年頃です。
この頃、私達は、よく二人でバスやニジマス釣りに行きました。
夜中に彼が車で迎えに来て、いろいろな場所に行ったものです。
車中で、いろいろな事を話ました。
プライベートの事、仕事の事、
そんな中で、私は彼に相談しました。
「ディスプレイケースの専門店を作りたい。」ということ。
お店の名前は「透明堂に決めている」ということ。
でも、自分たちは、店舗向けしか製作していないので、
「個人の人が満足するような高品質のケースができるか心配だ」ということ。
おもちゃのコレクターでもあった彼は、
「いいね、それ、ぜひやろう。おもしろい。」
「先輩職人F氏は、技術があるから大丈夫だし、自分もがんばるから」
と言ってくれました。
とても嬉しかった。
その後、数年の準備期間を経て、
紆余曲折ありながらも、なんとか「透明堂」を開店してからの9年間、
彼は、ずっと、透明堂の製造責任者として、製造現場をひっぱってくれました。
この頃の彼は、どんな造作物も綺麗に仕上げることができる、
もう立派な一人前の職人になっていました。
お客様から要望があれば、その度に意見交換し、
現在の透明堂の製造、梱包、発送、独自のスタイルを共に作り上げて来ました。
彼無しには透明堂は、生まれることがなかったと言っても過言ではありません。
今、商品をお届けしたお客様から、多くの「「喜びの声、お褒めの声」をいただきます。
それらの声は、H川氏と作り上げて来た 大切な、大切な宝物です。
もう、彼はいません。
でも、彼と作ってきた「透明堂」は、先輩職人のF氏に
引き継がれ、今も多くのお客様に喜んでいただいております。
残された私達にできることと言えば、彼と作ってきた「透明堂」を、
今より、もっと、もっと、もっと、立派なお店にして、
その貢献者である彼のことを、一人でも多くの人に話すことです。
そうすることで、彼が仕事で成し遂げた。生きた証を残せると考えています。
今日、年末に恒例にしている。
1年間頑張って働いてくれた1台1台の機械達に
「1年間ありがとう」とお礼を言いに工房に来ました。
ひっそりと沈んだ工房、作業机の前が彼のいつも作業している場所でした。
お酒が飲めない彼が、飲む席でいつも飲んでいた好物のウーロン茶。
ウーロン茶では酔うはずがないのに、いつも一番最初におもしろおかしく、
自分の失敗談を披露して、場を盛り上げてくれた。
そんな男だった・・・・・。
いつも、ケラケラと笑っていたあの笑い声を思い出しながら、
ひっそりと静まった工房で、彼に話しかけてみます。
「お前が楽しみにしてくれてたブログ、お前への感謝の気持ちを書かせてもらうよ。」
「あたためてるおバカネタもあるんだ!! 向こうでも読めるかな?」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
それと、前から「書いてもいい?」って言ってた、
お前の「指が生えてきた」ネタも書かせてもらっていいかな?
・・・・・・・・・・・・・・・・。
ダメと聞こえたような気がしますが、
俺達の仲です。いつか書かせていただきます。(いいだろ?)
(以前のH川氏と私のエピソードは こちら & こちら)
自慢させてください。
ウチには、一人の立派な職人がいたことを!
透明堂 最大の貢献者 H川氏 本名を 「長谷川 進」 といいます。
心優しく、仲間思い、家族思いのとっても良い奴です。
ハセ、いつかまた会おう!
それまで安らかに眠ってくれ!
みなさん1年間 ありがとうございました。
2015年も 透明堂 を よろしくお願い致します。
オーダーアクリルケースの透明堂