さよなら夏の日②「発表」

皆さんこんにちは!
前回のお話、さよなら夏の日①「造作」の続きです。 (①はこちら)
夏休みも終わり、2学期が始まりました。
そして、いよいよ技術家庭の授業日がやってきたのです。
当日は、早朝より 人目につかぬよう風呂敷をかけた犬小屋を学校に運び入れました。
授業が始まり、各生徒がおのおのの作品を発表していきます。
そして、いよいよ我々の順番です。
風呂敷がかぶせられた巨大な犬小屋が、教室の中央へと導かれ、
いよいよそのベールを脱ぐ時が来ました。
まずは、コンセプトの説明から。
「この犬小屋は、底面にタイヤがついているので、犬小屋ごと散歩ができる為、
雨の日でも犬が濡れることなく散歩ができる画期的な犬小屋です!」
それでは、どうぞ・・・・・・!
その光景は、まるで新車の発表会の様に、
かけられていた風呂敷がさっと取り去られたのです。
「どうだ!」と言わんばかりの我々4人。
もちろん、我々の期待する反応は、皆からの「お~っ!」という驚きの声です。
しかし、一瞬の沈黙の後、教室からは失笑と共にゲラゲラと笑い声が湧き上がりました。
担当のN村先生も、笑っています。
そして、先生はあっさりと、この一言でおかたずけになりました。
「犬の散歩なのに、犬が歩かなきゃぁ、意味無いんじゃね~のか?」
更に追い討ちをかけるように、この一言を!
「あーあ~っ。キャスターのとこ釘がでちゃってるよ~、
これじゃぁ、犬が血だらけになっちゃうな~っ!」
「こりゃぁ、へっぽこ大工の仕事だ~!」
先生!
ごもっともでございます。
1日で仕上げた上に、自分達の作品に酔っていた我々・・・。
当然のごとく、学校代表などには選ばれるはずもなく・・・・・。
プレゼントしようとしていたT内君からも「いりません!」と即決された我々の犬小屋。
しばらくの間、廊下の片隅に置かれておりましたが、
先生達から、「いいかげん、どっか持って行け!」「処分しろ!」と言われ・・・。
校内の片隅にある焼却炉にて分解、焼却したのでした。
立ちのぼる煙を見上げながら、僕らの短い夏は終わりました。
ハート.jpg
当時の風景「左から、M口君、H川氏、店長南雲、、N村先生、、O倉君」 クリックで拡大!
次回 さよなら夏の日③「再会」に続く・・・・・
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